「すみれ先輩って、悠希先輩とどういう関係なんですか?」
鈴屋君の唐突な質問に驚く。
「悠希?」
「はい。すごく、仲がいいから…」
私は考える。
悠希…?
親友…ではない…。
かといって先輩後輩…ではないし。
「幼馴染み…かな?」
やっぱり、その言葉が一番しっくりくる。
もともとは、親同士が仲が良くて私達の年齢も近くて、遊んでたりしたっけ。
よく、おままごとなんかして、
『すみれは俺のお嫁さんだよ』
なんて言われてて。
私の親も悠希の親もその気になっちゃって、将来が楽しみだわ、って言われてたことが、すごく昔に感じる。
「幼馴染み…それだけですか?」
「えっ?」
訳がわからなくて聞き返す。
「…やっぱり、なんでもないです。今は、聞きません」
鈴屋君はそう言って食べ終わったタッパと割り箸を持って立ち上がった。
「これ、捨ててきますね」
「あ、ありがと。私、お手洗い行ってくるね」
私も立ち上がり、お手洗いへと向かった。


