「ど、どうて……」
「じゃあ、先輩はもう経験があるってことなんですか?」
高城君は単刀直入に聞く。
「なんで自分の性情報を他人にばらまかなきゃならないんだよ?それにな俺は──」
悠希がそこまで言いかけた時、
突然、隣に座った一ノ瀬先輩が立ち上がった。
「と…トイレ……」
一ノ瀬先輩は真っ赤な顔を手で覆い隠すようにして、
足元にいた猫を抱き抱えるとリビングを出ていった。
「あーあ、先輩のせいですよ?蓮先輩が純粋なの知ってたくせに」
「はぁ?千尋のせいだろ」
どうやら、一ノ瀬先輩はそういう系の話は苦手らしくリビングから出ていったみたいだ。
それが正しい反応だ。
絶対にそうだ。
「あのなぁ、女の子の前でそう言う話はするもんじゃないぞ?」
悠希と高城君の言い合いに雨宮先輩が入る。
もしかして…この寮でマトモなのって…雨宮先輩だけ……?
「そうっすよ。俺の気持ちも考えてください」
南條君がため息をつきそう言う。
「琉生先輩は蓮先輩より耐久性あるじゃないですか」
南條君の言葉に高城君が突っ込む。
「蓮さんが純粋すぎるだけだろ。俺はお前らみたいに妄想で飢えを癒してる輩とは違うんだよ」
「だから、この話は終わり!蓮の分もすき焼き残せよ〜。すみれさん、ちゃんと食べてる?」
ポカンとしていた私も、
雨宮先輩の声で我に返る。
この寮、やっぱり危なーーい!!