ルームシェア~7人の王子様~

「ん、美味しい」


私は焼きそばを頬張りながら呟く。


「ん〜…」


鈴屋君はあまり納得がいかないようだった。


「美味しくない…?」


聞いてみると、鈴屋君は箸を止めた。


「先輩が作る方が…美味しいです…」


その言葉に、ドキッとする。

手料理を褒められるのはすごく嬉しい。


「嬉しい…。今度、なにか鈴屋君の好きなもの作らせて」


「ありがとうございます。
………俺の親、俺が小さい時から仕事仕事で、
学校から帰ってきても誰もいなくて、
晩飯代だけ置いてあるような家だったんです。
だから…手料理とか、すげぇ嬉しくて…」


そうなんだ…。

だからきっと、鈴屋君はこんなにしっかりしてるんだろうな。

鈴屋君の優しい瞳に見つめられて、私は顔が赤くなってゆくのがわかる。


「私の料理で喜んでくれるなら…いくらでも作るよ」


「ありがとうございます」


鈴屋君の微笑がさらに優しくなった気がした。


普段から鈴屋君は、人の顔色をよく伺ってて、周りに気を使っていることがよく分かった。

私より年下なのに、いつ時も大人対応ですごくかっこいい。