「お母さんと、お兄ちゃんは結婚できないって話してたんですけど、もう心配ないみたいですね。お兄ちゃんをよろしくお願いします」


そう言って頭を下げる。

よ、よろしくお願いしますって…。
華恋ちゃんも、何か勘違いしてる…?


「別に、私達はそういう関係じゃ…」


「お兄ちゃんは、どうなんでしょうね?」


華恋ちゃんが意地悪な笑みを浮かべる。


「えっ?」


「ふふ。お願いしますね。お兄ちゃんのこと」


一ノ瀬先輩も、華恋ちゃんも、人の心配ばかりするところ、とても似てるな。

私は、優しく先輩の頭を撫でた。


それから30分後、華恋ちゃんも夢の中に。

私は二人の重みを肩に感じながら、ゆっくりと目を閉じた。