「へっ?カップル?」
私は訳が分からず聞き返す。
「あ、もしかしてご夫婦ですか?それでも大丈夫なので、1枚お願いできますかね」
何を言っているんだこの人達は。
私は一ノ瀬先輩を見上げる。
また一ノ瀬先輩も、
何を言っているんだと言う顔で私を見下げる。
と、その時、
「あ!」
そんな声と共に、華恋ちゃんが私の背中を一ノ瀬先輩の方へと思い切り押した。
無防備な状態だった私は、
そのまま一ノ瀬先輩の胸の中に思い切り飛び込む。
カシャリ!
シャッターの音が聞こえたのは、
それからすぐの事だった。
私は起きている状況を理解できずに、
ただ、先輩の胸の中で目をパチクリさせていた。
看病してもらった時に見た、先輩の鍛えられた身体を思い出してしまい、途端に恥ずかしさが込み上げて、私はバッと一ノ瀬先輩から離れる。
「ご、ごめんなさ…」
私は赤くなった顔で言う。
先輩も頬を染めて、あぁ…いや…と小さく言う。
「随分シャイですね、お二人。パパとママはお家でもこんななの?」
1人記者がしゃがみながら華恋ちゃんに問う。
「あの…だから、そんなんじゃ…」
「ううん!いつもはとっても仲良し!」
私の言葉を遮るように華恋ちゃんが答えた。
なっ、何言ってるの!?
「そうなんだ。いいね、仲良しなパパとママで」
「うん!」
記者の方達は、メモをとったりしながら華恋ちゃんの話を聞いている。
私は話に割り込むこともできず、一ノ瀬先輩の隣で華恋ちゃんへの取材が終わるのを待った。
なんか勘違いされてるけど……。
華恋ちゃんが楽しそうなら…いいのかな…?


