リビングに行くと、
既に食事を配膳し終えていた。


すみれ荘の晩御飯は、すき焼きだった。


「今日はすみれさんの歓迎会だから、遠慮せずにたくさん食べてね」


雨宮先輩が私の前にお皿を置いてくれる。


「あ、ありがとうございます」


私は軽く頭を下げると、空いていたさっきの席に座った。


どうやら、もう席順は決まっているらしい。


長机の端っこから、

悠希が誕生席で、
角を挟んだ隣が私、

右回りで私の隣が一ノ瀬先輩、鈴屋君、

悠希と向かい合った誕生席が高城君、

角を挟んだ隣が架神君、雨宮先輩、

そして私の真向かいが南條君。


さっきの件を見られたので、なんとなく南條君と顔を合わせるのが気まづかった。


誤解……なんだけどな…。


悠希のいただきますの合図でみんなの手が鍋に伸びる。


しばらく和気あいあいとした雰囲気が続いていたとき、高城君が不意に口を開いた。