「まぁ、ここは学校の敷地ってより、うちの敷地って感じだから自由に使ってもらっていいんだけどさ。それより、名前は?」
悠希が理事長の息子であることを再確認する私。
小学生を預かろうとしてこれだけで済むなんて、流石…。
「華恋…」
一ノ瀬先輩は女の子を見ながら、
ボソりと言う。
「華恋?可愛いね」
悠希が結いた三つ編みを解きながら言った。
すると、華恋ちゃんが初めて口を開いた。
「一ノ瀬華恋、4年生です」
見かけによらず割と年齢は高く、しっかりしていた。
失礼ながら、人見知りで無表情な一ノ瀬先輩の妹とは思えなかった。
「これから、お世話になります」
華恋ちゃんはそう言って頭を下げる。
よくできていらっしゃる。
それにしても、雨宮先輩が帰省してしまったのは少しネックだ。
雨宮先輩なら、小学生の扱いにも慣れていそうだと思ったから…。
そんなこんなでこの日から約一週間、男子高生3人と女子高生1人、幼女1人の奇妙な生活が幕を上げた。


