「俺…ハーフだし…」
思い出した。
そう言えば、先輩のお母さんはフランス人だったと言っていた気がする。
だから先輩も、左目は薄く青っぽくなっているのだ。
「3年間過ごしてきて初耳なんだけど」
悠希はジト目で一ノ瀬先輩を見る。
「言ってないからな…」
先輩は、やけに透き通った肌と端整な顔立ち以外は純日本人と言われても分かる。黒髪だし。
「ほんとにお前は…。でも、なんで妹がここに?」
「…母親が手術を受けることになって、しょうがなく…。片親だし、親戚もフランスだし」
今度は本当になんとなくだけど分かった。
しょうがなくバイトをしているという先輩の言葉。
一ノ瀬先輩はお母さんは身体が弱いと言っていた。
きっと、お母さんの手術のためにバイトをしていたんだと思う。
優しい一ノ瀬先輩だから、
そんなことだろうとは思っていたけれど……。


