ルームシェア~7人の王子様~



と、その時。


ガチャリ


突然扉が開いた。


「悠希さん、佐伯、飯できて───」


扉を開けたのは、南條君だった。


「あ…すいません…」


抱き合っていた私たちを見た南條君は、
少しビックリしたあと冷めた顔に戻って扉を閉めた。


「あっちょっ…」


私は南條君を追いかけようと立ち上がった。

絶対変な誤解してる……!!


けれど、


「すみれ」


グッと悠希に腕を引っ張られて、
私は体勢を崩して倒れた。


「いっ………ゆ、悠希…!?」


「待って、すみれ……」


悠希が私を組み敷く形で、
上に乗ってくる。


「はっ…!?ちょっ、まっ…」


私は悠希の胸を思いっきり押す。
でも、全然びくともしない。


「ゆ、ゆう…」


どうしよう…!

私が焦っていると、
悠希はふっと笑って立ち上がった。

悠希の顔が遠のく。


「ごめん、冗談。そんな顔すんなよ」


「えっ…」


私は目を丸くする。


「も、もう、バカぁぁあ!」


私は立ち上がると真っ赤になった顔を両手で覆う。


「だから、ごめんって!すみれが可愛いからつい」


悠希は悪びれた顔もせずウィンクをする。


「どうせ他の女の子にも、そんなこと言ってるくせに」


「言ってないよ。すみれにしか」


「嘘ばっかり!」


私は悠希の胸を叩く。


「ほんとだって。俺が立派な男になったら、絶対お前のこと迎に行くから」


悠希は冗談めかして、
そんなことをサラッと言った。


もう、本当に悠希は……!!