「……僕は、別れないよ」


「……っ、」




分からない。

私には、優也くんが分からないよ。


どうして、そんなことを言うの。

どうして、私のそばにいようとするの。


どうして、お姉ちゃんの元へ走り出さないの。



そう聞こうと思ったのに昼休みの終わりを告げるチャイムに遮られた。




「放課後ちゃんと話そう。良いよね、さっちゃん」




良いよねなんて聞いたくせに、優也くんは私の返事なんて聞く気は最初から無かったようで、それだけを言うと弁当箱を片付けて、去ってしまった。


だけど私にはそんな君を引き止める気力なんてなくて、小さくなっていく背中をぼんやりと眺めていた。



……君は、どうして私の初恋をいつまでも終わらせてくれないの。

叶わない、こんな苦しいことばかりの恋に、未来なんて無いはずなのに、何で。



ーー君は、私のそばにいて、幸せなんですか?