壱さんと十夜、大丈夫かな?
傘下が襲われたって言ってたけど、それってもしかして、blade?
最近姿を見せなかったのに何で突然?
「オイ」
せっかく落ち着いたと思ったのに……。
「オイ、凛音」
「……ん?」
呼びかけられて煌を見上げる。
煌は目が合うと、何も言わず視線を下へ向けた。
それにつられてあたしも視線を下へと向ける。
「ぅわっ!!」
すると、視線の先にあったのはあたしと煌の繋がれた手だった。
「ごめん!いつもの癖で!」
慌てて手を離して、煌から距離を取る。
実はあれから、毎日手を繋いで階段を上り下りしている十夜とあたし。
それが当たり前になっていたから、無意識に手を繋ぎにいっていたらしい。
あー、最悪だ。
よりにもよって繋いだ相手が煌とか!
「ふーん……。いつもの癖ねぇ……」
ニヤリと不気味な笑みを浮かべる煌に嫌な予感しかしない。
「いつも繋いでるんなら良いだろ?ほら、手貸せよ」
「煌とは絶対繋がない!」
「遠慮すんなって」
何度も拒否っているのにしつこく手を繋ぎにこようとする煌。
「いーやーだー!」
「出せっつーの!」
「いーやー!」
何故か階段の上で手の掴み合いという名の戦いをしているあたし達。
傍から見たらきっとしょうもない喧嘩してるなって思うだろう。
「あーもー!!こんな事してる場合じゃねぇんだよ!さっさと行くぞ!」
「ちょ……!」
あたしの腕を離した煌は、代わりとでも言うようにあたしを脇の下に抱えて階段を駆け下りた。


