その先には、私が実に憎む



バカ陰陽師こと、律希がいました。





………恐ろしい程人の視線を集めていらっしゃる!

あなたは芸能人か⁉︎モデルか⁉︎



確かに整った顔立ちですが、あなたの性格を誰も好くとは考えられない!





「あ、律希。

空いてる?屋上」




…後ろから駆け寄って来たのは、なにを隠そう。




「ねえねえ、めっちゃ絵になってない⁉︎」



そんな声が飛び交う中。


平井先輩と律希が仲良さげに話していたのです。





「んー、空いてない」


「そっか、じゃあやっぱり戻ろう」




平井先輩がそう言って、また屋上から出ようとドアノブを握った時…




「……ははは」


見ないで先輩。

こっち見て笑いかけたら、私が死にますよ?



それを私の表情で悟ってくれたのか、ちょっと目をパチパチさせて私の方を見てきた平井先輩は、すぐに出て行った。




そして…その後に続いた律希はというと。


こっちに顔向けて、なにかを伝えようとして口をパクパクさせたあと…


出て行った。




……なんて言ってたんだ?