………結局。


あの後お気に入りだった着物も買えず!


私は妖狐ちゃんを背負い、えっさこいさとマンションへ帰る羽目に。




「ただいまぁ〜……」





誰もいない部屋に言う、ってのも…


なかなかに寂しいな。





そんなことを思いながらリビングへと行き、妖狐ちゃんを2人掛けソファへと寝かせる。


もちろん、妖力をこの子に少し込めまして…


狐の耳や尻尾を見えないようにしながら運びましたよ。



……妖力、無駄に使いましたよ。



だっるいし…左手はズキズキと未だ痛むし。





けど…この子があのバカ律希に連れ去られなかっただけ、良かったかな。