「黙って聞けバカ鬼、あれは…」




『っ、きゃああああぁぁぁぁぁ‼︎‼︎‼︎』



「⁉︎だいじょ…!」


「行くな」



人影へと駆け寄ろうとしたところを、パシッと手を抑えられ、止められる。



その時左手を掴まれたもんだから…




「痛い!」


「……この程度の力でか」


「怪我してんの!」



「……ひ弱」




……無視だ無視。こいつすっごくムカつくけど、今は無視だ。




「あの子を助けなきゃ!

いくらなんでもやりすぎだし、子供だよ⁉︎」



叫び尽くしたのか…急に声が小さくなった子供の妖狐。

それに紛れて…バチ、バチ…と静電気の大きい版みたいな音がたて続けに聞こえた。


…まさか…!



「あの術は術の対象に電流を流すことができる。

青の術を使うとはいえあいつが扱っていたのは水の術じゃなかった…


だから電気を通しにくい体ばわけでもない」



「だからと言って、やりすぎだって言ってんの!」




「別に殺す気は無い。

捕まえて家に持ち込み調べさせるだけだ」




「……させない!」




『調べさせるだけ』

それが『だけ』で終わらないことぐらい、私は知っている。



……それを考えるだけで、胸が痛む。




そんな思いを振り切って駆け寄ろうとするけど…思ったように足が動かない。



…結構ダメージ受けてたんだな。



けど、あの子を助けなきゃ……!




「おいバカ鬼、やめろ。

あいつの近くに行くだけで電気が体を通るぞ」




うるさい、黙っててよ!



私はふらふらと影に駆け寄る…


確かに近くに行くだけで、体がピリピリする…





でも、これは黄の術…しかも電気系統の。




なら、苦手だけど…対策方法ぐらい、ある!