……よし!二度とここへは買い物に来ない!決めた!




1人頷いてると、前に立っていた陰陽師野郎がこっちを見てくる。



「……見下されるのなんか嫌だ」


「口答えするな鬼ごときが。

お前も負傷してるし一緒に殺してやろうか」


「はいスイマセン」




……ここで死ぬわけにはいかない、すっごい悔しいけど我慢だ…!




『………お兄さん、陰陽師…?

私をどうせ、殺そうとしてるのでしょう…?


……絶対、させないから!』



その声が途切れた刹那、前方の奥に明らかな『人影』…!

確かに影からして子供、そして大きな耳と尻尾が黒く見える。


そしてその子供の妖狐は、高く飛び上がったと思うと…くるん!と1回転した。


その反動で尻尾も回って…そしてその尻尾の先から、真っ青な火がうまれ、こちらへと向かって来る……!




「…被害妄想激しすぎ。

ただ捕えるだけだ」



そんなことを言った陰陽師は、右手の人差し指と中指をくっつけ、印(いん)をつくる…



「……青の術に対抗すべきは、黄。


『天神雷火』‼︎」



なにかを結ぶような手つきでそう叫んだと思うと、

妖狐の人影がピシッと止まった。


……なになにこの術初めて聞いたもので、どんな効果があるか知らないんですけど!




「…バカ鬼、こんな術も知らないのか」



「はぁ⁉︎バカは失礼でしょバカは!
てかさらっと読心術しないでよ!」



「はぁ…

この術の効果はな…」


「しょうがないか、みたいな顔しない‼︎」




その時見えた顔は、やっぱりあの、旧校舎で出会った陰陽師だった。