ただ。



ただ、少しでも、待っててくれませんか。






そう言いたかった口は、ただ震えるだけで…言葉なんか出なかった。





皆、ありがとう。

本当に本当に…ありがとう。

短い期間だったけど…楽しかった。





私は右手の人差し指に力を入れた。

そして、
矢を…そっと引いた。






なぜか心の中で芽生えた言葉を




私はそっと、口にした。







「…皆、大好きです。

………律希、あなたはなんか…特別です」








彼等は大きな光で包まれる直前、私が見たのは…












律希が涙を1筋流している、その顔だった。








「…………ごめんね」