小さく小さく…私は術を唱えた。






「…草眠木生」





誰にも分からないように。そう思ったのに。




律希はやっぱり…聞こえちゃったみたいで。





「やめろ、霧花…!」





「やめない」





「なんでだよ…お前、父さんに言ってただろ?


人間になりたいって…


人間の幸せを見つけたから、人間になりたいって!」






…小さくうなずく。




そうだよ、私は人間になりたい。




今もその思いは変わらない。いや、きっと一生変わらない。






「…なんで、霧花…お前は…


俺たちと一緒に…裏生徒会に所属してるじゃんかよ…!」






唇をぎゅっと噛む。



目頭がボッと熱くなって、涙が出てくるのを…必死に堪えた。






「…律希。

私は裏生徒会メンバーを…辞めます」