真っ白で長い着物。



「私の制服…どこ?

あれ着なきゃ学校行けないのに…!」



「もう学校に行く必要なんてないんだってば」





ガシッと腕を掴まれ、ぐっと引かれる。



そのままお尻から転んだ私は、妖矢に後ろから抱かれるような形になってしまう。





「…はなして、妖矢!

今日は休日だからまだいいけど…すぐに学校があるんだから!」





私の言葉に、ははっ、と妖矢は乾いた笑みをこぼす。




…なによ、その意味深な笑い方…!




「大丈夫さ。

妖力があるやつ以外は、記憶を操って霧花の記憶を消してあるからね」




「……………は…?


ちょ、なんで!?なんでそんな酷いこと…!」




「安心してよ、霧花の仲良い子達は妖力が高い奴らばっかだったろう?」



ぐるっとまわって、妖矢は私の前にやってきた。



そして両手を私のほおへ、優しく包むように置いた。



そのまま…くいっと、上を向かされて…妖矢の視線から離れることなんて、できなくなってしまう。





「…ね?」





妖矢…やっぱり、妖矢だったんだ。



私たちを襲った謎の鬼たちは、やはり妖矢や他の鬼だろう。




「…知ってたんだ、やっぱり」




「もちろん」




彼は綺麗に笑った。




見惚れるようなほど、美しくって…




残酷な笑みを、浮かべた。