目を開けると、



そこは、闇。




ここは…どこ?



見渡しても、なにも見当たらない。いや、まず私の体があるのかも定かじゃない。



意識だけが生きているような、そんな感覚。




闇の中、助けてと叫びたくても…声なんか、でない。




腕を伸ばしたって、誰も掴んではくれない。




ねえ、助けて。誰か、私に気付いて。





誰もこちらを見てくれないこの感覚は、昔部屋で1人ぼっちだった感覚と似ている。





昔を思い出した刹那…奥から一筋、眩しい光が私の方向へ伸びてきた。




光は人の影を映し出している。





……律、希…?




ないと思っていた目を少し細めながら、影を見つめる。