その答えは、考えての考えても出なかった。



夜になり、金鞠寝静まっても。




ベッドの中でただ1人、考えていた。





私は、鬼。



けれど、半分しか鬼の血を持たない混血者。




禍々しい存在でしかない私。







昔、とある鬼斬り陰陽師が言っていた言葉を思い出す。





『鬼という異形は、人に似ていて人にあらず。


妖の中では人に似ているものでも、人として生きるには悪魔のような妖の血が邪魔するであろう。



そんな禍々しい存在を、我は討つ必要がある』








人に似ていて人にあらず。






鬼は、妖の中でそう言われるような存在の一族だった。




じゃあ、私は?




私は、なんなのだろう。




鬼は人に似ていて人ではない、禍々しい異形であると説いた陰陽師。


その中でも混血者である私は…






鬼の中で最も人間に近く



けれど完全な人間ではない





この、私こそが。



本当の『化け物』なのかもしれない。