『青の術に黄の術に…赤の術。

鬼斬り陰陽師たちも、赤の術にたけているものが多いわ。


この世で3人しか習得できない術よ』







優しい優しい声が、耳の奥に響いた。



遠い、あの日の記憶…







『鬼斬り陰陽師特有の武器、日本刀がね

美しい赤の光に包まれるの。



その光に見惚れている間に…敵は切りつけられる。



普通の術や日本刀の傷には太刀打ちできない程の大きな傷をつけられる。





とても強い人じゃなきゃ扱えない術なのよ』








律希は相変わらず無表情で。

けど、その視線はとても鋭くて。





少し動きがゆるまった影に対し躊躇することなく、大きく一振りした。










『だから忘れないで霧花。


その術を使う人があなたの前に現れたら…





すぐに、逃げなさい』