「うーん…うーん……」


「ま、マジで悩まないでいいと思うよ?霧花」




そんなこんなで、衝撃の事実をお互い知った私たちは…



帰ろう、という話になった。






「じゃーねー!2人共ー!

あとそこの、たらし!


お前は霧花に手ェ出したら…分かってるよな?」





「…口調変わってね?あいつ」





…喧嘩するほど仲が良いんだよね、きっと。うん。



2人はなんだかんだ仲が良いはずだよね…





校門で分かれた私たち…けど、私もすぐにマンションが目の前に迫ってくる。




「律希の家ってあの呉服屋さん?」


「あー…ま、一応今はあそこ」


「『今は』?」



「あぁ…

本家はもう少し離れた小さな森の中。


俺は今、学園から近いからって理由付けをして呉服屋から4年間通ってるけど、

数ヶ月に1回はそりゃ帰る」




へぇ〜…小さい森の中、か。

よっぽどでかいお家なのでしょう…あはは……






「じゃ!バイバイ!」




手を振って律希に別れを告げると、私は1人でマンションの中へ…




「おい、待て」



「へ⁉︎」




エントランスホールの中へ入った瞬間、右腕をガシッと掴まれた。



「え、律希⁉︎なんで⁉︎」





そこには無表情で、なにを考えているのか全く予想できない…

そんな律希がいた。