私はただただ走り続ける。




助けなきゃ、助けなきゃ。





あの子を助けなきゃ。






……今までで唯一、私を『普通』に見てくれた、


大切な親友なんだ。






明らかに異様な空気が流れている学園敷地内の『森』に足を踏み入れ、彼等を探す。







………その中でも特に『気』が強いところには、もう誰もいなかった。




人っ子一人いない、けど…つい十数分前には人がいた気配があった。







「………律希…ただじゃおかないから……」





私は唇を噛み締め、

憎いあいつの顔を思い出した。



そして想像の世界の中で、そいつを術で懲らしめてやったのだ。