可愛い可愛い寝顔は、見てるだけでも癒され…って、今は違う!


ちょっとこの寝顔を律希に見せようとか思ったけど、今は違う!



「え、ちょっと待って全然整理つかないんだけど…⁉︎

平井家?え、不動産会社だよね⁉︎

平井先輩はなに?なんで術が使えるの?

てか治癒術が得意?尊敬します!って、違う!あぁ、迷走してきたあぁぁ!」




1人でのたうちまわる。

視界の端に律希が呆れた様子でこちらを見ているのが分かるけど…今はツッこまないで!


整理してるから!頭の引き出しにいろいろ詰めてるから!


引き出しから溢れてるよもう!なにも詰め込めないよ!




「……本当に霧花は面白いなぁ。

はは、僕たちがちゃんと説明するよ」



平井先輩は座ったまま律希を指さす。



「一ノ谷家…陰陽師の中でも鬼斬りと呼ばれる、鬼を主とした陰陽師家。

妖との戦闘や、今のような物の怪を妖にしたりする仕事が多いね…



それに対して僕の家、平井家はね」




平井先輩は律希を見てクスっと笑った。

その様子を見てあからさまに不機嫌になった律希は、すぐそっぽを向く。




「戦闘を主としている一ノ谷家をサポートする家なんだ。

それだけでやっていけるけど…陰陽師家の1つとして恥がないよう、

不動産も経営してお金を集めているってわけさ」




一ノ谷家を、サポート…


だ、だから2人はこんなに顔見知りなの?仲がいいの?



「いつもこいつに見張られてる感じがして、俺は嫌だけど」



…仲が、いい…?



「ま、そうゆうことで。

僕が裏生徒会の副会長さ」



「……………は、はあ…」



「あれ?もう驚かないの?」



クスクスと笑いながら言う平井先輩。



いや…もう驚きすぎて、頭がパンクして…なにも考えられない状況です。