「…ここら辺のはずだ」


……夢乃崎学園、恐るべし。


敷地内にこんな広大な森があるとは…




「なにか…感じるか?」



律希の言葉を聞いた私は目を閉じた。

全神経を集中させて…探る。



ただ、少しでもいい…小さなものでもいいから、


物の怪が発する、独特の『気』を…!





『助ケテ…』



「!

律希、聞こえた、物の怪の声が‼︎

こっち!」



「了解!」




私を先頭にしてただただ緑の森の中を私たちは走る。


けど、疑問があった。


さっき聞こえた…物の怪の声は、確かに…!



あの子と…似ている……!





「!止まれ!霧花‼︎」



私は足を止めると、探るようにして周りを見る。


……隠れてはいるけど、確かに分かる。



物の怪の強大で禍々しい妖力の気が……!