後藤くんは見た目の割に、実はすっごく真面目。
授業だってちゃんと聞くし、ノートの字は丁寧だし、箸使いも綺麗。
そしてなにより、自分の中の正義を貫き通す強さがあるの。
……わたしにはないもの。
「おい、市原」
「え? はい」
「お前も嫌なら嫌ってはっきり言え。
黙っててもいいことないぞ」
「っ……」
ああ、後藤くんはわかってるんだね。
千菜ちゃんがわたしのためにしてくれたのに。
嬉しいのに、困っていること。
まっすぐ正しいことをしていたい、なんて堅苦しいことを考えちゃうことを。
それを、否定しないんだ。
「それで距離が空くようなやつじゃないだろ」
千菜ちゃんは、笑顔で、明るくて、男性恐怖症で面倒なわたしを気づかってくれて。
たまに間違えちゃうこともあるけど、それを受け止めるだけの度量がある。
かっこいい、わたしの大好きな友だち。

