1度は申し込んで断られてしまったが、そう簡単に諦められられる訳もなく…。


(少しずつでもオレの事分かって貰えたら、いつかパートナー組んでくれるかな…)


淡い期待が胸を過ぎった。


「津久見さん、あの…」

裕一郎が言いかけた時、鯖の味噌煮定食が運ばれてきて、会話が中断される。

「お待たせ致しました。ごゆっくりどうぞ」

そういうと店員は下がっていった。


魅惑的な香りが鼻孔をくすぐり、裕一郎はゴクリと喉を鳴らす。


「とりあえず話は後にして、先に食事をしようか」

そんな彼の様子を見て、尚人は笑った。

.