「ではある程度、僕の素性はご存知なんですね」
「ええ。それに失礼かと思いましたが、少し身辺調査もさせてもらいました。如月がいやにあなたの事を高く評価するもので、どんな人物か気になりましてね。だから、簡単な事なら知っています」
「だったら…あなたからも彼に言ってあげて下さい。僕は彼が思っているような人間じゃない、と。随分と買い被られているみたいなので」
「その様子だと、しつこくパートナーにと口説かれている?」
「……ハッキリ断ってるんですけれど」
「諦めてくれない?」
「はい」
いかにも裕一郎らしいと河村は緩く笑った。
「私も如月からあなたの事で相談を受けて、パートナーは必要ないだろうと何度か言い聞かせたんですがね。絶対に津久見さんと仕事がしたい、の一点張りで言うことを聞かない。…しかし、実際あなたとこうしてお会いすると、彼の人を見る目は結構正しいのかもしれないと思えてきましたよ」
「だからどうして僕なんですか。僕は彼の中にある闇に関わる事は出来ないんです。いいえ、正直に言わせて貰えば彼と関わるのが怖いんです…」
「なぜ?」
「なぜって…」
尚人は言葉を詰まらせた。
.
「ええ。それに失礼かと思いましたが、少し身辺調査もさせてもらいました。如月がいやにあなたの事を高く評価するもので、どんな人物か気になりましてね。だから、簡単な事なら知っています」
「だったら…あなたからも彼に言ってあげて下さい。僕は彼が思っているような人間じゃない、と。随分と買い被られているみたいなので」
「その様子だと、しつこくパートナーにと口説かれている?」
「……ハッキリ断ってるんですけれど」
「諦めてくれない?」
「はい」
いかにも裕一郎らしいと河村は緩く笑った。
「私も如月からあなたの事で相談を受けて、パートナーは必要ないだろうと何度か言い聞かせたんですがね。絶対に津久見さんと仕事がしたい、の一点張りで言うことを聞かない。…しかし、実際あなたとこうしてお会いすると、彼の人を見る目は結構正しいのかもしれないと思えてきましたよ」
「だからどうして僕なんですか。僕は彼の中にある闇に関わる事は出来ないんです。いいえ、正直に言わせて貰えば彼と関わるのが怖いんです…」
「なぜ?」
「なぜって…」
尚人は言葉を詰まらせた。
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