Darkness † Marker 3  【降る雪は淡く…】

 

その時。


ピリリリリ…。


どこかで携帯の着信音が鳴り響く。

「ん?」

河村の携帯は胸ポケットにある…と、いう事は。


(さては裕のヤツ、忘れて行ったな)


この着信音は仕事のものなので、どちらが出てもいい事になっていた。

『着うた』だと裕一郎のプライベートになるので絶対に出ないが、この場合河村が出ても何ら支障はない。

彼は台所の冷蔵庫の上に置き忘れられている携帯を見つけると、電話に出た。

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