Darkness † Marker 3  【降る雪は淡く…】

「さっき仕事終えたばかりで未消化だから、あなたにはキツかったかもしれませんね。でもこれがオレの力です…Darkness Markerと言う、闇を飲み込む力をあなたには見せておきたかった」


「君、は………」


目の前の少年は、なぜこんなにも正気でいられるのか。

あまりにも深い闇を見せられた尚人は、動揺を隠す事が出来なかった。


「そうだよ…」

ポツリ、呟く。

「君を怖いと思った。僕では君の力になる事はできそうにないよ…ごめんね…」


裕一郎に背を向けると、尚人はおぼつかない足取りで人混みの中へと消えていった。




「怖い…………ね…」




吐く息は白く…。

1人路地裏に残された少年は俯くと、寂しそうに呟いて小さなタメ息を零した。
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