だが、抵抗すればするほど裕一郎の力は強くなり、尚人は苦痛と恐怖に顔を歪める。
「裕一郎くん…聞こえないのか…」
掴まれた箇所から流れ込んでくる《何か》を感じ取った彼の声は、震えていた。
「離してあげます…津久見さんがオレの質問に答えてくれたら…」
「…………」
尚人は逆らうのを止め、裕一郎の目を見つめる。
彼はゆっくりと口を開いた。
「正直に答えて下さいね…今のオレから《何》が見えます?」
それまでの人懐っこい表情はどこにもない。
尚人の前にいるのは、意地悪な笑みを口元に浮かべた少年だった。
(これは…誰………?)
まるで違う人間。
親友のくれた御守りの指輪が、異様な力に持ちこたえられないとでも言うようにミシミシと悲鳴を上げた。
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「裕一郎くん…聞こえないのか…」
掴まれた箇所から流れ込んでくる《何か》を感じ取った彼の声は、震えていた。
「離してあげます…津久見さんがオレの質問に答えてくれたら…」
「…………」
尚人は逆らうのを止め、裕一郎の目を見つめる。
彼はゆっくりと口を開いた。
「正直に答えて下さいね…今のオレから《何》が見えます?」
それまでの人懐っこい表情はどこにもない。
尚人の前にいるのは、意地悪な笑みを口元に浮かべた少年だった。
(これは…誰………?)
まるで違う人間。
親友のくれた御守りの指輪が、異様な力に持ちこたえられないとでも言うようにミシミシと悲鳴を上げた。
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