「美愛ちゃんも強いのか?」

「私は…あんまり喧嘩はしないかな」

「女の子だもんなぁ。
喧嘩しちゃいけないよ」

「凜はかなり強いので。
護身術みたいな感じで、習ったことはあるよ」

「凛ちゃんにか?」

「うん。
凜ちゃん、私を守るって、どんどん強くなったの」

「守る、か……」




頭の後ろで両手を組んだキラ。




「なぁ、ずっと思ってたんだけど」

「何を?」

「美愛ちゃんと凜ちゃんって、凄く仲良いよな。
幼馴染にしては…仲が深すぎる気がする。
何か、あったの?」




私は黙り込んだ。

そして、口を開いた。




「凜は、オトナになりたいから」

「オトナ?」

「うん。
凜、昔出会った男の子のことが、忘れられないの。
その男の子、凜がオトナになったら迎えに行くよって手紙を残して、いなくなっちゃったの」

「それ、凜ちゃんからさっき車の中で聞いた。
それで、何で守るとオトナが関係あるの?」

「……贖罪に、近いものだと思う」



贖罪。

良い行いを繰り返すことにより、犯した罪を償う意味。

罪滅ぼしってこと。