でも、あたしは撃たれなかった。 誰も、撃たれなかった。 「……無茶しやがって」 「ご、ごめんなさい……」 トウヤとあたしは、しゃがみ込んでいた。 後ろから、トウヤが抱きしめている。 「……後は頼む」 「御意」 ヒョイッとあたしをお姫様抱っこしたトウヤは、あたしの目の前に立っていたカオリに向かって言った。