そのまま、緊張しているような和歌に、くだらないテレビの話を散々聞かせてやった。

じきに彼女は笑いだし、和歌の家につく頃にはいつも通りの彼女に戻っていた。


「じゃあね、洋介。送ってくれてアリガト」

「ああ。じゃーな」


一人の帰り道は二人でいた時よりずっと寒い。
だけど満月に近い月がでていたので、道のりは明るかった。

月って自分から光ってる訳じゃないんだよな。太陽の光のおこぼれをもらってるんだ。


「克司が太陽で、俺が月なのか」


うまいことを言ったと思いつつも、よくよく考えると悲しい話だ。



俺はいつになったら、自力で光ることができるんだろう。