そう、まだ大丈夫。

この時までに、大きな混乱は私たちにはまだなかったから。

この後から、徐々にみんながパニックになってゆく。

それを思うと、胸が苦しくなった。

「…少し、休憩しましょう」

そう言うと、藤森さんは立ち上がって白い部屋から出て行った。


私はぼんやりと周りを見渡す。


スタジオでのインタビューをはじめてまだ30分くらいしかたっていないのに、寝不足なのか頭がくらくらしていた。

ため息をつきながら額の汗を服の袖で拭く。


真っ白い部屋に赤い服は合わなかったな…。