駿に向かって車体は勢いを増して進む。

回転の頂上から一気に降り、どんどん駿が近くなる。

恐怖にゆがんだ顔。


「ぎゃあああああ!」


ガガガガガ!


ぶつかる衝撃。

飛び散る血しぶき。

振りかえることもできず、目を閉じて耐えた。

体を振られるたび、する血の匂い。

必死で目をつぶっていると、やがてブレーキがかかった。

車体は、再び入り口に戻って来ていた。

ブザーが鳴り、固定バーが自動で上がる。

後ろ手のままなんとか立ち上がると、ステップに降り立った。