届屋ぎんかの怪異譚




「お願いだから止まって! あなたが嫌なら、あたし、これ以上あなたに近づかないと誓うわ。


だから、話を聞いてくれないかしら?」



言って、その言葉通り銀花は足を止めた。


その行動に驚いたのだろう。男の子も足を止めて、銀花をまじまじと見つめる。


追いついた朔も、銀花のすこし後ろで止まった。



「あのね、あたしたちは、お婆さんの代わりにあなたに謝りに来たの」



銀花の言葉に、男の子の眉がピクリと動いた。



「お婆さん、腰を痛めてしまって、ここへ来られなくなったの。


治ったらまた来るけど、いつになるかはわからないわ。


ごめんなさいって、もっと早くに言いたかったんだけど、自分じゃここまで来られないから言えなかったの」