2 ―――――――――― 「喧嘩でもしてたの? 息子さんと」 一仕事終えて山林へ戻る途上、銀花は傍らにたたずむ白い影に言った。 『どうしてわかるの?』 影が尋ねるその声は、大人の女のものだ。 「だって、息子さん『ごめんなさい』って言ってたもの」 『鋭いのね』 影がくすくすと笑った。 『くだらないことだったのよ』 女はぽつぽつと語りだす。 『隣村に妹が住んでいてね。 その妹が産気づいたとかで、手伝いに来てくれって知らせが来たのよ。 それがちょうど、あの子の誕生日の前日で』