この空の下でめぐり会う奇跡



「あれ?美空ちゃん怪我でもしてるの?
その松葉づえ」


三浦さんが指差すのは
美空の横には置いてある松葉づえ。


「あ…これですね
これは あたしの親友のツーチャンです
これなくても平気なんですけど
母にもしもの時に・・・って
強制に持たされるんです」


2年前に事故に遭って
足首から切断して義足なんだと話す。


複雑骨折だったから・・・
色々葛藤もあっただろう
大変だっただろう・・・。


そして まるで他人事のように
明るく事故の事を話す美空を見てると余計に胸が痛く
張り裂けそうになる。


「ゴメンね 嫌なこと聞いちゃって」


「ぜーんぜん大丈夫ですよ~
自業自得ですから」


オレは思わず


「生きて笑って暮らしてる
それだけで…」


安心。。。と言いそうになり
中途半端で話を切ってしまった。


「それだけで何?」


三浦さん・・・
聞き逃してよ。


「回りの人はよかったと思うんじゃない?」


なんて 訳のわからないことを言ってしまう。


「だよね~」


みんな一致の言葉。


美空と同じ空間に居る
オレのこと思い出したら
どうなるんだろう。。。
仕事を早く進めて
この場から去らなきゃ。


そう思った。