「一樹くんゴメン
父さんがいきなりあんなこと・・・」
「マジか?」
「年明けに病院へ行ったの
まだ出来立てホヤホヤ」
「マジか・・・」
落ち込むオレに
「何とかあたしがするから…
一樹くんはあたしと結婚する気なんて
ないでしょ?」
・・・うん・・・。
でも そこで「うん」とは 言えなかった。
またあの父親に怒鳴られるし
「産むって気持ちは変わらないんだよな」
「ゴメン 産みたい
愛する一樹くんとの子供だもん」
オレの優柔不断な行動が
こんな結末を起こしてしまった。
後悔しても後悔しても遅い。
「考える時間が欲しい」
「一樹くんが責任取るとか
考えなくてもいいんだよ
あたしは一人でもこの子を産んで
育てるから 父には
これから先話してわかってもらうから」
いや…そんな簡単な訳には行かないよ。



