「許せない?」


美空の顔を除き込んだ。


美空はオレから目を反らし
「・・・許せない・・・」
と言うだけ。


「どうしたら許してくれる?」


「何をされても許せない・・・」


やっと目が合った・・・が
美空の声はだんだん小さくなる。


「許さない・・・そう思ってた・・・
だから気を強くもって接ししようと・・・
でも・・・一樹と会えば会うほど
気が緩んでしまって・・・
ましてや今みたいに『好きだ』とか
言われると・・・あたし・・・
どうしたら良いか分からないよ」


「それって
ちょい期待していいってことかな?」


「ううん期待しないで
あたしは・・・一樹のことなんか
嫌いだから・・・
大っきらいなんだから!」


「言ってる意味分からないだろ!
無理して嫌いって
言ってるように聞こえるけど?」


「無理だから・・・」


「何が無理なんだよ」


「何もかも全てよ!」


「無理を可能に出来るよ
オレと美空なら」


「そんなこと言わないでよ~」


今にも泣きそうな美空
このままではみんなの注目を浴びてしまう。


「美空出よう」


豆腐ハンバーグセットに手を付けず
そのまま美空を連れお店を出た。