「あたしね 絵美が色々心配くれて
紹介とかしてくれるけど
お友達ならいいけど
付き合うとかそんな気持ちは
ないんだ
もう一生恋愛しようとか
思ってないから」
「そんな寂しいこと言うなよ」
「あたしの勝手でしょ!
幸い手に職を持ってると言うか
デザインの免許も持ってるし
入院してるとき通信で
色んな勉強して資格もとったから
一人でも生きていけるんだ
だから 一樹は彼女とか欲しいんだったら
別の人を探してもらいなよ
絵美に言っておくから」
「それは本心か?」
「もちろん!」
「さっき・・・まだオレのことを
思ってるみたいなことを
言ってたんじゃないのか?」
「まだ話してる途中で
絵美が中断させただけで
あの続きはやっと・・・
一樹のこと忘れられて
けじめがついたって
言うところだった
だから一樹のことなんてこれっぽっちも
思ってない」
親指と人差し指を合わせて
隙間を見せ オレに対しての気持ちは
この狭さと表現したのだ。



