「去年偶然会ってしまって無くなってた
一樹との記憶が戻って・・・
でも あんなに可愛い子供がいて
だからあたしも強がって
彼氏ができたからなんて
嘘までついて・・・
諦めようと努力した
やっと・・・やっとけじめをつけたと」
まだ美空が話してる途中だって
言うのに室井が
「諦めることなんてないじゃん
課長だって言ってたでしょ
あたし人から聞いたんだから
『どうしても忘れられない子がいるから
まだ恋人は作ろうとは思わない』
って!それって美空のことでしょ?」
と 問い詰めるように言った。
ーーーーーー
オレも美空も黙ったまま。
「ちょっとぉー!お二人さん!
何とか言ってよ~!
もー!あたし帰るからねっ!
後は二人で解決してよね!」
室井はホントに怒って
帰ってしまった。
長い長い沈黙のあと
先に口を出したのは美空だった。
「いつこっちへ?」
「一年前」
「あの可愛いい虎太朗ちゃんは?」
「向こうが引き取った」
「そーなんだ・・・」
暗い顔をしてる美空。



