「美空・・・美空が言ってたのって
課長のこと？」
「・・・・・・」
「そうなのね」
「あれは・・・忘れて！」
何のことかさっぱり分からない。
「何で？聞いた限りには
忘れられるわけないでしょ」
「会いたくなかった・・・」
会いたくなかった・・・
それは美空の本心だろう。
「室井の紹介断ればよかったな・・・
悪いけど 帰るわ」
「課長 待ってくださいよ」
室井に引き留められる。
「美空も遠慮しなくていいじゃん
問題ないでしょ！離婚してるなら」
「・・・・・・」
「黙ってないで 正直に答えて！
課長のこと好きでしょ？」
「だって・・・一樹の心の中には
・・・あたしのことなんて・・・
片隅にもない・・・でしょ・・・
あるんだったら・・・こっちへ来た時点で
何だかの連絡してくるはずでしょ？
あたしの携帯番号知ってるんだし・・・」
美空の言ってること・・・
まだ・・・オレを？
オレのことを？
自惚れじゃないよな
今の発言はそう取れるよな。
