こっちに戻って2ヶ月が過ぎた。
「リフォームの依頼が来てますよ」
「どこ?書類見せて」
「なんかバリアフリーにするみたいですね
そして2階だけなのにエレベーター付けるとか
超贅沢ですけど
お年寄りが住んでるんですかね?」
依頼主を見て驚いた。
中野区の新垣和夫邸
新垣?
中野区?
バリアフリー?
エレベーター?
美空の実家か?
こんな一致することはないだろ
きっと美空の家だ。
「依頼先へ行かないといけないんだけど
課長も一緒に行ってくれませんか?」
工事担当の佐野さんに言われたが・・・
行けば会ってしまう。
本人だけじゃない
お母さんにも・・・。
「自分は他の急ぎの仕事があるので
申し訳ない 代わりに松本さんに頼んでみるよ」
「わかりました」
断ってしまった
まだ会ってはいけないからだ。
今度はオレの方が忘れられていないから
会えば力ずくでも奪ってしまいそうだから。
美空にタイムラインさえ
ブロックされてる状態なのに
ここで会うわけにはいかない。



