この空の下でめぐり会う奇跡



「お祝い中に電話して悪かったな」


「ううん・・・大丈夫」


ぎこちない会話。


まともに話すのは
久しぶり。


「彼氏とお祝いしてるの?」


「あ・・・うん
スカイツリーの見えるレストランで
食事してる」


「そっか・・・」


「あっ 虎太朗ちゃん元気?」


「あ・・・うん」


「なんか不思議
こんな会話してるなんて」


「そうだな」


「時の流れを感じちゃうよ
あたしも一歩進んでるから
一樹ももっともっと前進してね
あっ!彼を待たせると悪いから切るね」


美空は電話を切った。


彼を待たせると悪いからーーー


そうだよ
今度こそ幸せになりなよ。


「はぁ~
どこにかけてんだよお前は!
何が恋人だよ!」


「声を聞けてよかったでしょ?」


良くない。


胸が苦しくなっただけだ!


虎太朗との永遠の別れ
そしてプラス美空の幸せを
聞かされ また酒が進んだ。