この空の下でめぐり会う奇跡



まどかは玄関まで見送りに来た。


「さっきの話本当なの?
東京へ行くって」


「ああ」


「いつ?」


「年末にはここを立つ
虎太朗を可哀想な目に合わせるなよ
そんなこと聞いたら
お義母さんがなんと言おうと
奪いに来るからな」


きつく言い残しマンションを出た。


虎太朗が離さなかったズボンのすそは
オレが持って行ってやったチョコレートの
シミが出来ていた。


チョコレート・・・
顔中に付けてたよな。


可愛いな・・・虎太朗・・・。