「ちょっと会ってくる」


「はぁ?石川さん・・・
なんで?」


「話すことがある
すぐ帰ってくるから」


オレは駅に向かった。


人混みをかき分け
やっと見つけた美空。


ーーー美空!!!ーーー


恥ずかしげもなく叫んだ
美空は一瞬立ち止まって左右を見たが
止まってた電車に乗ってしまった。


そして
静かにその電車は動き始めた。


「ただいま」


「美空ちゃんと会えました?」


「いや・・・」


「そうですかぁ
でもなんで あんなに焦ってたんですか?
まさか石川さんも美空ちゃんを?」


「・・・いや・・・違う」


「別にいいんですよ
石川さん独身になったわけだし
だって東京に居るときから
気に入ってたでしょ?」


「はぁ?」


「やけに優しかったし
あっ!まさかそれで離婚?」


「あほか!それはない」


想像豊かな三浦さんに笑ってしまった。