丁寧なお見送りまでされて
田戸倉家を後にした。
「途中変なのが参加して悪かったね」
「変なの?」
「お袋」
「あ~あ」
別に気にしてないと
田戸倉さんに告げた。
あたしは彼女でないと分かった瞬間からの
あの変わりよう・・・。
田戸倉さんとの恋愛は
無理だと確信した日にもなった。
そして釘を刺されたのは
あたしは帰って間がない時間だった。
さっき登録したばかりの
田戸倉さんのお母さんからのLINEが届いた。
ーーーさっきはどうも
あまり話を長くしたくないので
単刀直入に言うわね
うちの息子を好きにならないで欲しいの
もし好きなら諦めて欲しいの
あなたには悪いけれど
うちはあなたを受け入れるほどの器じゃないからーーー
非常にきつい言葉だった
金槌で頭を叩かれたような衝撃を受けた。
ーーー十分承知しています
そんな思いは全くないので
安心してくださいーーー
―――ホントなのね?
信用するわよ
それともう会わないでくれる?
あの子はなんだかんだと言って
あなたの事を同情してるだけだと思うの
だから恋愛感情に発展する前に
断ち切りたいのよーーー
ーーーわかりましたーーー



