この空の下でめぐり会う奇跡




「心配だけどごめんね
休みとれなくて」


「やっぱりあたし一人で行きなさいっ!
ってことなのよ 頑張っていってくるよ」


「そうだ!美空ちゃんが見るの忘れた!
という連続ドラマ
録画してるからうちに見においでよ」


「ほんとに???
続きが見たく気になってた
あっ・・・でも今から?」


もう8時だけど
遅くにお邪魔しては悪いよ。


「お袋も今日は火曜日だから
趣味の習い事行ってるし
遠慮する人居ないから」


始めて田戸倉さんの家に行くことになった。


田戸倉さんの部屋は2階の奥らしく
ちょっと階段はキツイ。


「ほら!いいから乗って」


あたしの前に膝をついた。


ふと・・・一樹がよみがえる。


歓迎会の場所に間に合わないからと
背負ってもらった。


暖かかった・・・。


「どうした?早くのって!」


「あ・・・でも重いし」


「さっさと乗って!」


「すみません」


ここは素直に乗ったあたし
その時だった。


玄関のドアが開いたかと思うと
前に道で会ったお母さんが帰って来た。